振袖豆知識

成人式に多くの新成人の女性が着用する振袖。
華やかで美しい着物ですが、実はその背景には多くの意味があります。
その意味を知ると振袖選びも楽しく、着用した時の感動もひとしおです。

Q1 なぜ成人式に振袖を着るの?

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未婚女性の第一礼装だから

成人式とは大人になったことを祝うセレモニー。生まれてから多くの人に愛され、守られて大人になったことを家族で祝い、また社会が成人を認めることです。ですから正装、それも最上級の和装の正装である振袖で臨むのです。

現代の着物の原型は室町時代の小袖ですが、振袖の名称が使われ始めたのは江戸初期に遡ります。袖の長い振袖が若い女性が着る正装となったのです。
当時、振袖の袖は恋愛のサインに使われました。長い袖を左右に振り「好き」と伝え、前後に振って「嫌い」を伝えました。ですから、好きも嫌いも伝える必要のないミセスでは袖を留める、つまり留袖(留袖)となるのです。

Q2 振袖の「格」とは?

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振袖の格は袖の長さで決まります

振袖にも種類があります。袖が長ければ長いほど格があることになり、あらたまった感じになります。

現代では大振袖(袖の長さ125cm程度)、中振袖(袖の長さ87cm〜106cm。ただし振袖といった場合114cm)、小振袖(袖の長さ76cm〜86cm)に分類されています。
大振袖は花嫁衣装、中振袖は成人式、謝恩会、初釜などに。小振袖はパーティや十三参り、卒業式の袴などに用いられます。
ただし、袖の長さは身長とのバランスも大事なので、用途を勘案した上でベストバランスを見つけます。

Q3 何歳まで振袖を着られるの?

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振袖は結婚前の女性の着物

振袖は未婚の女性が着るというのが定説です。江戸時代は子どもと18歳未満の女性が着用していました。現代ではざっくりと考えれば結婚するまでです。

では、未婚であれば50歳でも60歳でもOK? となりますが、やはりそういうわけにはいきません。ただ、海外やパーティ、舞台などでは年齢や結婚の有無は関係なくすてきな振袖姿を披露することもあり、その限りではありません。

Q4 振袖の各部位の名称は?

基本的な部位の名称を覚えておくと、着るときやお手入れの際に役立ちます。

Q5 人気のある振袖の色は?

似合う色が最高の色。コーディネート次第でイメージ通りに

振袖は同じ柄でも地色で雰囲気が変わります。顔映りの良い色を選びましょう。
淡く優しい色合いのくすみカラー、ナチュラルカラーも最近注目されていますが、白や黒、赤などコントラストのはっきりした色柄の振袖も人気です。
忘れてはならないのは、振袖そのものだけで判断できないということ。要は帯や小物との組み合わせです。小物の合わせ方でレトロモダンにも優しい感じにも仕上がります。
人気があるかどうかも気になりますが、お嬢様が着装して「これ」という一枚をお選びください。

赤色 -Red-

はつらつとした若さを発揮できる赤、帯を黒や金でメリハリをつけて大人っぽくするのか、白系で可愛らしくするのか迷うところ。お嬢様らしい赤の振袖の着こなしを探りましょう。

桃色 -Pink-

可愛らしいイメージの桃色。濃いピンクは顔色が明るく見え、メイク映えします。パステル系はふんわりとした優しい雰囲気に。誰からも愛される幸せカラーの振袖コーデを楽しめます。

黄色 -Yellow-

隠れた人気色。風水でも金運アップの色として知られていますが、明るくフレッシュな魅力があります。人とかぶりたくない方におすすめです。珍しい色なので、見つけたら試してみてください。

白色 -White-

白は花嫁衣装にも見られるように清楚で清純なイメージ。洗練されたおしゃれな雰囲気で着こなせます。トレンドを意識してシンプルな帯や小物を合わせてみるのもおすすめです。

黒色 -Black-

古典模様であれば格調高く、斬新なデザインであればモダンに。落ち着いた印象もあり、成人式以外でも着やすい色です。帯揚げや帯締の色が映えるので、コーデ次第で異なった着回しができます。

緑色 -Green-

深緑なら子供っぽくならず上品かつモダンな雰囲気に。目上の方にもなじみがいい色合いです。鶯色や黄緑色などの明るいトーンを、あえて個性的に着こなすのもしゃれています。

青色 -Blue-

寒色系は知的に見えると人気です。紺色ならまさしくクールビューティー。淡い水色はナチュラル・ガーリーにまとめたい方に。青空や海を思わせる魅力的な色です。

紫色 -Purple-

上品さと大人っぽさナンバーワンの色、パープル。帯を白ベースにするか、黒ベースで引き締めるかは着る人次第。大人っぽさを活かしたヘアメイクがおすすめです。

Q6 人気のある振袖プランは?

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購入プラン、レンタルプランが人気です

全国的にはレンタルの方が全体の半数くらいの割合のようです。きものサロン桂でご要望が多いのは振袖がお手元に残るご購入プランです。

妹様がいらっしゃる場合、また成人式の後も卒業式や結婚式のお呼ばれ等で着用されることを考えると、長い目で見て購入プランはリーズナブルになります。お嬢様やお孫様に受け継ぐことができるのもメリットです。

レンタル、そしてママ振袖にもそれぞれ良さがあるので、じっくり検討されることが大切です。